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コラム 熱湯コラム「いで湯のあしあと」

岐阜・奥飛騨温泉郷 秘湯の宝庫

岐阜・奥飛騨温泉郷 秘湯の宝庫

 東海地方でも屈指の湯質と湯量を誇る奥飛騨温泉郷は、5箇所の温泉地に分かれている。
高山市内から約40分ほど車を走らせると、奥飛騨温泉郷の入り口、平湯温泉に到着する。そこからさらに山奥を進むと、福地、新平湯、栃尾、新穂高温泉と、各々の特徴を持った温泉地にたどり着く。独自源泉やいろりの宿など、日本のよさを醸し出す情緒溢れる宿々――― そう、北アルプスに囲まれたこの地域は、日常をしばし忘れさせてくれる秘湯の宝庫なのだ。

 今回は、新平湯温泉にある『薬師のゆ 本陣』に泊まらせていただいた。
しんとした広いロビーに入ると、りっぱな和太鼓が出迎えてくれる。ここは趣の異なる温泉が4ヶ所、2種類の泉質を楽しめる。奥飛騨一体で、海抜1030mから湧き出る95℃の源泉を持つ北アルプス温泉と、この旅館の自家源泉 薬師温泉だ。大浴場には広い内湯と露天が一つずつあり、この両方のお湯が楽しめる。

 まずは、つるりとしたくせのない北アルプス温泉の内湯に入る。誰もいないのをいいことに、プールのような広い内湯でバタ足をする(良い子はマネをしてはいけません)。もくもくと湯気が立ち込める中で、掛流されるお湯の音を聞きながら北アルプスの湯を満喫し、薬師温泉の露天風呂へ続いた。

 純和風造りの岩で囲まれた広い露天風呂には、ででーんと恵比寿様の石造が鎮座しており、彼の持つとっくりから源泉がちょぽちょぽと惜しげもなく注がれている。近寄ってみると、そこから飲泉もできるらしい。この旅館敷地内の地下500mから湧き出る源泉は、加温、加水一切なし。ミネラル豊富な天然のクロレラを含有しているという。糖尿病、通風、肝臓病など、現代成人病の万病に効くようである。そういった持病を持っている人は、病院の薬に頼るよりもこういうものをがぶ飲みしたほうが治るかもしれない、と思いながら、私も最近の生活態度を反省しつつ、恵比寿様から飲泉させていただいた。硫黄臭がして、いかにも万病に効きそうな味。身体の外からも中からも治癒される、ナットクの薬師の湯なのだ!

 食事は、囲炉裏の個室で会席をいただいた。
飛騨牛の蒸ししゃぶや手作り五平餅、湯葉の刺身、薬膳スープなど、身体に優しい品々が次々と出てくる。旅館での食事は多すぎて後でしんどくなることもあるけれど、ここの食事は身体をいたわる食材、調理法に気を使っている。よってどれだけ食べても胃にもたれないのだ。もたれないのをいいことに完食した。

 奥飛騨を訪れる際、一箇所の宿だけで終わるのはもったいないので、日帰りで入れる公共の温泉にも立ち寄るのがお勧めである。新穂高の橋下にある、公共の混浴露天風呂も有名だが、平湯温泉の『神の湯』や、平湯民族館敷地内にある『平湯の湯』も、秘湯の匂いがぷんぷんして、私は大好きである。『平湯の湯』はもともと入場料が必要だったが、今は多くの人に立ち寄ってもらおうと寸志を入り口に入れれば誰でも入れるようになった。家族やグループなら8箇所の露天風呂がある『ひらゆの森』も、コストパフォーマンス大でなかなかよい。

 東海地方でオススメの温泉地は?と聞かれたら、迷わず私は、まずここ奥飛騨を挙げるだろう。バラエティに富む泉質の良さ、情緒たっぷりの雰囲気、地産地消を意識した美味な食事、温かいおもてなし、そして大自然に囲まれた壮大な景色。名古屋からほんの3時間で行ける山のリゾート。身体だけでなく、心の洗濯をしたければ、奥飛騨に来たらいいと思う。各々の風情を持つ宿がたくさんありすぎて、全制覇することは到底できないが、いつ来ても裏切られることはないのだ。

【新平湯温泉 薬師のゆ 本陣】
住所: 岐阜県高山市奥飛騨温泉郷一重ヶ根208-48
電話: 0578-89-2026
アクセス
 車の場合: 東海北陸自動車道 高山IC → R158約45分
 公共交通機関: 名古屋駅より特急ワイドビューひだで2時間15分(高山下車) → 高山駅より濃飛バス(新穂高温泉行き)で約50分

『薬師温泉』
泉温(源泉): 49.0度 (PH値 6.9)
泉質名: ナトリウム-炭酸水素塩温泉(中世低張性高温泉)
色・味・匂: 無色透明、鉄・炭素味、微硫化水素臭
効能: 神経痛、関節痛、疲労回復、五十肩、冷え性、きりきず、やけど、慢性皮膚病
飲用効果: 慢性消化器病、糖尿病、痛風、肝臓病

『北アルプス温泉』
泉温(源泉): 51.4度 (PH値 6.1)
泉質名: 単純温泉(中世低張性高温泉)
色・味・匂: 無色透明、鉄・炭素味、微硫化水素臭
効能: 神経痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔病、冷え性、疲労回復、健康増進

料金: ¥13,000~¥29,000(一泊二食付)
公式HP: http://www.yakushi-hj.com/

2011年05月12日

コラムフォト

取材担当プロフィール

みなもといずみ
近場から遠出まで、行く先々に温泉マークを見つければすぐに飛び込んでしまうほどの温泉女。出張先ですら、温泉があればタオルとパンツを持ってでかけます。女である以上、温泉に癒される人生は永遠です。行き当たりばったりの旅が大好きな私のあこがれは、スナフキン。点々と旅を続けながらいで湯を求め、足あとを残していきたい!

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