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コラム 熱湯コラム「いで湯のあしあと」

岐阜・新穂高温泉

岐阜・新穂高温泉

 これまでいくつかの温泉について綴ってきたにもかかわらず、岐阜県の温泉についてまだ一度も触れていないのは、自分でもいささか驚きだった。別に岐阜を贔屓(ひいき)にしているわけではないが、私は岐阜の温泉地が好きである。近場でオススメの温泉地はどこ?と聞かれたらたぶん、まず最初に岐阜県内の温泉地を挙げると思う(←十分贔屓(ひいき)にしてる?)。アクセス距離、雰囲気、泉質、食事、コストパフォーマンス・・・どれをとっても平均点を大いに上回るところが多い。従って、自己ランキングでは、岐阜県の温泉地は結構上位に入っている。

 ところで、『日本秘湯を守る会』ってご存知でしょうか?
 ご存知でなければ、まずはこちらをどうぞ↓
 http://www.hitou.or.jp/

 さて、東海3県では、岐阜県内の宿がこの『日本秘湯を守る会』に8件登録している。そのうちのひとつが奥飛騨・新穂高温泉にある「槍見館」。温泉郷を流れる蒲田川沿いをさらに奥へ入ったところに、ひっそりと、しかしどっしりと佇んでいる。秘湯の匂いがぷんぷんする。

 玄関先からロビーに入ると、中心に無垢の木をくりぬいた桶。
 冷えひえの缶ビール、源泉(60度)に浸かった温泉卵。
 さらに奥には、囲炉裏のくつろぎスペース。
 飛騨古川の古民家を再現させたような、ほっとする空間。旧庄家の屋敷を移築して建造したらしい。日本の温泉文化が巧妙に表現されている。
 「温泉宿はこうであってほしい」と願う日本人の理想を全て取り入れてしまった、ゼイタクな宿。
 午前中には、ロビーで餅つきまでするというパフォーマンスまである(もちろん、つきたてのきな粉餅をその場で振舞ってもらえる)!

 ここの目玉はなんと言っても7つの露天風呂(+足湯)。そのうち4つは貸切、1つは女性専用、そして2つは混浴。貸切風呂も、「入浴中」の札を掛けさえすれば、「空いてたらご自由にどーぞ」みたいな感じでゆるい。ゆるくてよい、だって温泉なんだもの。

 岐阜県内の温泉の湯質は、言うまでもなくハイクオリティである。だからここでは敢えて述べない。とにかく、月並みな表現ではあるけれど、つるっつる、すべっすべである。お湯がとろーんとしているのだ。

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取材担当プロフィール

みなもといずみ
近場から遠出まで、行く先々に温泉マークを見つければすぐに飛び込んでしまうほどの温泉女。出張先ですら、温泉があればタオルとパンツを持ってでかけます。女である以上、温泉に癒される人生は永遠です。行き当たりばったりの旅が大好きな私のあこがれは、スナフキン。点々と旅を続けながらいで湯を求め、足あとを残していきたい!