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コラム 熱湯コラム「いで湯のあしあと」

日本屈指の美人の湯 白馬八方温泉

日本屈指の美人の湯 白馬八方温泉

 スキーヤーのメッカ、白馬村。
パウダースノーのクオリティも高く、長期滞在スキーで楽しむ外国人が、その魅力に取り付かれ、ロッジやホテルのオーナーになってしまう程であるのは周知の通り。冬のスキー場の代名詞ともなる白馬村であるが、それ以外の季節はどうなんだろうか?

 夏秋の白馬村は、冬とは全く異なる表情を見せてくれる。9月に入った今は、心地よい木漏れ日がこぼれる森林を散策する観光客や、白馬岳からの素晴らしい景観を見ようという山客が多い。
そして、スキー場の印象が強すぎてあまり知られていないのかもしれないが、白馬にも素晴らしい泉質を持った温泉が多数存在するのである。泉質は、大きく分けて2タイプ。PH値11.3という国内第2位を誇るアルカリ性単純温泉の白馬八方温泉、そして塩分・鉄分を多く含む白馬塩の道温泉である。宿泊施設内以外にも、村の何箇所かに共同浴場や足湯があり、お湯三昧できる村なのである。

 最近猛暑で疲れ気味、肌もがさがさだし、今回は、美人の湯といわれる白馬八方温泉をチョイス。源泉は、標高2100mにある鑓ヶ岳にある秘湯、鑓温泉から引かれている。鑓温泉も大変魅力的だが、5時間もトレッキングしないと辿り着かないらしく、今回は断念。スキー場周囲の多くの宿泊施設がこの源泉を引いており、村内の共同浴場は4箇所。何れも500円で入れる。その一つ、白馬岳へ続く山間の渓流沿いにある露天風呂、おびなたの湯へ向かう。

 おびなた(小日向)の湯は、昭和61年、今から27年前に作られた。決して古くはないが、なかなか素敵な感じで年季の入った佇まいのエントランスである。早朝の露天風呂へ、早速貸切状態で入らせてもらった。

 毎日源泉の入れ替えをするお湯はきらきらと透明で、すぐ脇を流れる渓流のせせらぎと湧き出す源泉の音が、素晴らしい調和音となっている。少し熱めのお湯にどぼんと浸かると、とろんとした超高濃度のアル単のお湯が、やさしく身体を包み込むのである。5分も浸かれば身体はすべすべ、全身の角質を取り除き、生まれ変わったような素肌に変わる。高級化粧品の安っぽい宣伝文句みたいに聞こえるかもしれないが、本当にそうなのだ。これまで入ったどんなアル単温泉よりも、すごい効能だ。事実、このお湯に浸かるのは、高級化粧品を使うよりも即効性のある美容法かもしれない。ただし、入りすぎは禁物。あまりにアルカリ性が強く、入り続けると肌がピーリングされすぎて、逆にかさついてくるという。何事も、「過ぎたるは及ばざるが如し」だ。

 毎朝6:00に来て源泉の入れ替えと掃除をし、このおびなたの湯をキレイに保持してくれている管理人のおじさんが言った。
―――源泉は50℃くらいあって熱いんだけど、うちは源泉をホースで一旦川の水につけて冷ましてるの。このお湯は、肌がきれいになるだけじゃなくて、細胞が活性化するんだよ。傷なんかもすぐ治っちゃうって、お客さんも言ってるけど、ホントだよ。ペットボトルたくさん持ってきて、化粧水代わりに使うんだって、持って帰るお客さんも結構いるよ。今の時期は、アブが出るから、アブよけの網張って景色もあんまし見えないけど、紅葉の時期にまた来たらいいよ、網も取るし、紅葉もそりゃキレイだから―――
ちなみに、飲湯もできる。腸も活性化するらしい。

 湯上りは、いつも通り信州そばをつるっと行きたいところだが、敢えて今回は白馬村ならではの名物を。森林が美しいホテル ラ・ネージュ東館のレストランテラスで、そば粉のガレットをいただいた。リゾートホテルやペンションが多い白馬で、名物のそば粉を使ったオシャレな地産池消料理、ガレットを提供しているお店も多い。ぱっと華が咲いたようにお皿を彩る美味なそば粉のガレットを、マイナスイオン漂う森林の中で味わい、深い満足感に満たされたのだった。

 今まで冬しか知らなかった白馬。グリーンシーズンも、休日を大いに満喫できる要素に溢れているということを、一体どれくらいの人が知っているだろうか。

【白馬八方温泉 おびなたの湯】
住所: 長野県北安曇郡白馬村北城9346-1
電話: 0261-72-3745
アクセス
 車の場合: 中央・長野自動車道 豊科IC → 北アルプスパノラマロード・R148(約3.5時間)
 公共交通機関: 名古屋駅(JR特急しなの) → 松本駅(JR特急スーパーあずさ) → 白馬駅 → 白馬駅よりタクシーにて約10分
温泉名: 白馬八方温泉1号、3号の混合泉
泉温(源泉): 49.7度 (PH値11.3)
泉質名: アルカリ性単純温泉 源泉かけ流し
色・味・匂: 無色透明、微硫黄味
効能(入浴): 神経痛、筋肉痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、ねんざ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進、美肌
料金: ¥500(大人) ¥250(小人)
営業時間: 9:00~18:00

2011年09月20日

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取材担当プロフィール

みなもといずみ
近場から遠出まで、行く先々に温泉マークを見つければすぐに飛び込んでしまうほどの温泉女。出張先ですら、温泉があればタオルとパンツを持ってでかけます。女である以上、温泉に癒される人生は永遠です。行き当たりばったりの旅が大好きな私のあこがれは、スナフキン。点々と旅を続けながらいで湯を求め、足あとを残していきたい!

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