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コラム 熱湯コラム「いで湯のあしあと」

新緑の穴場 乗鞍高原温泉

新緑の穴場 乗鞍高原温泉

梅雨に入る前、新緑の香りを胸いっぱいに吸い込むために、乗鞍高原に行った。
関西に住みだしてからというものめっきり足が遠のいてしまったが、ハイクオリティな源泉がこんこんと湧く信州は本当に久々で、浮き足立って旅に出た。

 乗鞍高原には、たくさんの温泉旅館や民宿があって、選択肢に迷うところでもあり、またその数ゆえ、繁忙期の直近でも意外にリーズナブルな価格でとれるところがいいところである。私みたいに思いったら明日行きたい、みたいな行き当たりばったりの旅人にはうってつけだ。乗鞍高原というと高山・奥飛騨の山を超えてさらに向こう側、松本に向かう国道を走っていくと考えるとかなり遠出な感じもするが、高速を降りて新緑香る山道をずっと走ると意外にあっという間なのである。日々のデジタル世界から解放されてひたすら視界に飛び込んでくる新緑は、本当に目に気持ちよく、ぐんぐん染み込んでいく感じすらする。

 さて、今回宿泊するのは、乗鞍高原温泉の旅館 仙山乗鞍である。白骨温泉も近いここの温泉は、乳白色の掛け流し天然温泉だ。四六時中こんこんと湧き出る硫黄濃度の高いお湯が自慢である。宿にチェックインして、さっそくその自慢のお湯につかりに行った。

露天風呂の扉を開けると、半露天のようなかたちになっており、目の前に乗鞍岳の山頂、剣ヶ峰を臨める。大自然に囲まれて開いた大きな開口が、まるで絵画のようである。そんな絵画を間近で独り占めしながら、少しぬるめの乳白色のお湯にゆったり浸かる。鳥のさえずりとお湯の湧き出る音以外、なにも聞こえない。それほど大きな露天ではないのに、なんとも贅沢な時間だ。

 しばらく浸かって今度は内湯に行ってみる。内湯はなんと、総檜造り。素晴らしくシブく、年季が入って、湯質の良さを際立たせているようだ。内湯はさらに硫黄の香りが充満し、お湯に浸かった瞬間、最近特にひどくなった慢性肩凝りの痛みがどんどん柔らいでいくのがありありと感じられる。どんなマッサージよりもすごい効能である。

 湯上がり後、夕食に呼ばれて食堂に行った。他の宿泊客に混じって、特に何の飾り気もない食堂で、素晴らしく丁寧に調理された地元の食材の恵みをいただく。やわらかく霜の入った信州牛のしゃぶしゃぶ、山菜のおひたしと天ぷら、新鮮な川魚の炭火焼・・・どれも作り立ての美味しさ。素材の味がどれも活かされた天然のごちそうだった。

 翌朝、再度露天風呂に浸かってチェックアウトした後、周りを散策する。遅咲きの桜やたんぽぽが一生懸命咲いていた。近くにも無料の露天風呂があり、贅沢な大自然の恵みを再確認する。豪華さや洗練さは全くないが、それ以上に本当の贅沢とは何かを思い出すのに絶好の旅となった。忙しい合間をぬってでも、来る価値のある乗鞍高原。真夏の避暑にも最適な温泉地だろう。今年の夏も再訪は確定だと思いながら、乗鞍岳をあとにした。

【乗鞍高原温泉 仙山乗鞍】
住所: 長野県松本市安曇4238-1
電話: 0263-93-3131
アクセス: 東海北陸自動車道 – 中部縦貫自動車道 – 高山西インター下車 R158経由で安房トンネル経由で約50km
源泉名: 湯川温泉
泉質: 単純硫黄温泉(硫化水素型)
温度: 46.4℃(PH値3.12)
色・味・匂: 白濁・硫黄臭
効能: 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾冷え性、病後回復、健康疲労回復
料金: \8,990~\12,700(一泊二食付)

2016年07月26日

コラムフォト

取材担当プロフィール

みなもといずみ
近場から遠出まで、行く先々に温泉マークを見つければすぐに飛び込んでしまうほどの温泉女。出張先ですら、温泉があればタオルとパンツを持ってでかけます。女である以上、温泉に癒される人生は永遠です。行き当たりばったりの旅が大好きな私のあこがれは、スナフキン。点々と旅を続けながらいで湯を求め、足あとを残していきたい!

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