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コラム 熱湯コラム「いで湯のあしあと」

信州・白骨温泉

信州・白骨温泉

 冬だ!雪だ!!温泉だ!!!

 温泉のベストシーズンがやってきた。
毎年恒例(?)の家族旅行。兄の一任で、今年は信州・白骨温泉へ - そう、数年前、あの世間を賑わせた温泉である。

 暖冬と言われつつも、やはり12月の北アルプスは雪化粧。うっすら積もった、雪に覆われた樹氷が立ち並ぶ山道をぐにゃぐにゃと登っていくと、硫黄の臭いが鼻をつき、霧なのかモヤなのか、はたまた湯煙なのかよく分からないが、もくもくとした「いかにも」な冬の温泉街が現れる。

 白骨温泉街にある十数カ所ある旅館から湧き出る源泉は、全て湯質が違うという。その中から今回宿泊先に選んだのは、旅館『泡の湯』。1900年代前半からある老舗旅館は、旧館・新館に分かれている。フロントに掲げられた文字に時代を感じる。私達は、新館の部屋・翠(みどり)の間に通され、そば茶とお茶菓子(「女将特製」の杏の砂糖煮)が出された。実は大きくふっくらとつやつやして、口に含むとじゅわっと果汁が広がる。

 一息ついて、早速温泉へ行く。
「泡の湯」の名の通り、ここの源泉には炭酸成分がたくさん含まれており、多量の気泡がお湯と一体になって湧き出ている。源泉は無色透明だが、加温すると、硫化ナトリウムとカルシウムが酸素と触れ合って、白く濁るのだそうな。「白骨」の名も、もともとはその白濁するお湯から命名されているらしい。近所の某スーパー銭湯にある炭酸泉と違って、炭酸が顕著に見えるわけではないが、お湯に沈むとぷつぷつと肌に気泡がつくのがわかる。腕を触るとはっきりと気泡が感じられる。小さな泡が皮膚をマッサージしているようで、血行促進、美肌効果もバツグンらしい。

ちなみに、源泉は37.3度ととてもぬるい。8歳の姪が、「大口町(隣町)の温水プールみたーい」と言ってばしゃばしゃ泳いでいたが、まさにその通りである。年季の入った風情あふれる内湯には、源泉の「ぬる湯」と、40度に加温した「あつ湯」が隣同士で設けられており、交互に入るとさらに温浴効果が高まる。

 ところで、この旅館のウリは、旅館のすぐ横に設けられている「大野天風呂」である。しかもここは、混浴である。混浴だからとためらってはいけない。ここに入らずして、泡の湯に泊まったとは言えないほど有名なのである。よくメディアとかTVとかに取り上げられ、JRのポスターにもなっているらしい。宿泊客がためらわず入浴できるよう、細かな配慮がされている。脱衣所にはエクストラのバスタオルが置かれ、それを体に巻いて入浴できる。しかも女子の脱衣所の出口には、湯船に入っていく階段が設けられており、野天に出るときにはすでに、首まで乳白色のお湯につかっている状態で入れるわけである。だから何もハズカシがることはないのである。

 そんなわけで、ン十年ぶり(?)に、父と兄とも一緒に入浴できたわけである・・・ちょっと不思議な感じではあったけど、家族全員で同じ湯船に浸かるなんて、一生のうちにそう何度もできるもんじゃないから、いいのではないですか。ちなみに加温してあってもお湯はかなりぬるいので、はらはらと舞い落ちる粉雪と、上部から惜しみなく湧出す源泉を鑑賞しながら、1時間でも2時間でも、平気で入れてしまう。まさに至福のときである。

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取材担当プロフィール

みなもといずみ
近場から遠出まで、行く先々に温泉マークを見つければすぐに飛び込んでしまうほどの温泉女。出張先ですら、温泉があればタオルとパンツを持ってでかけます。女である以上、温泉に癒される人生は永遠です。行き当たりばったりの旅が大好きな私のあこがれは、スナフキン。点々と旅を続けながらいで湯を求め、足あとを残していきたい!

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