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コラム 熱湯コラム「いで湯のあしあと」

湯巡り天国 湯布院

湯巡り天国 湯布院

 たしか大分県は源泉数、湧出量共に日本一だった。中でも湯布院は別府に並んで大分県でも代表的で、今では外国人ですら箱根と並んで行きたい温泉地のトップ3に入っているという。本州に住んでいる人間からすると、ふらりと行ける距離ではないため、日本人にとっても湯布院は、九州の憧れの温泉地に必ず入っているはずだ。

 別府同様、湯布院もかなりの源泉と温泉宿があるので、湯巡りし放題である。どこの宿に行こうか悩ましいところであるが、今回はひとつの宿内のみでも湯巡りできてしまうという旅館 山光園に宿泊した。

 広大な敷地内に、内風呂4・露天6を合わせると合計10カ所も湯処がある。2種類の源泉を持つ掛け流しの温泉を、心行くまで湯巡りすることが可能だ。4カ所の貸し切り風呂は、予約不要で空いていればいつでもプライベートな空間をゆったりと過ごすことができる。これだけ湯処があれば、他のお客様とまずかぶることもない。また、ここの最大の特徴は、混浴の大露天風呂だ。入り口・脱衣所は男女分かれており、しきりを隔てて中は混浴になっている。真夜中、宿全体がひっそりと静まり返った後、他のお客様とかぶらないようドキドキしながら混浴露天に入るのもまた楽しみのひとつである。

 お湯は柔らかく透明な単純温泉。源泉は62℃と高めだが、長湯ができるよう快適な温度が保たれている。お湯につかってゆったりしながら遠くの山々の連なりを眺めていると、どぼどぼと絶え間なく湧出る源泉の音だけが耳に心地よく響き、改めてその日本一の豊富な湯量を再確認させられるのだ。

 湯布院の街は観光客誘致に精を出していることもあり、地元グルメも楽しみのひとつ。今回の宿泊は敢えて1朝付きにし、夕食は外でとることに。由布院駅のすぐ近くで地元のブランド・豊後牛をひつまぶしで食べさせてくれる店があるというので行ってみた。豊後牛のまぶし(2400円)は、まず細長いお皿に乗った10種類の前菜から提供される。ごぼうの煮物、柚子田楽、筍の煮物など、ビールを飲みつつ、ひつまぶしを炊き上がるのを待つには十分楽しめる時間だ。しばらくすると、豊後牛まぶしがお味噌汁、多種類のお漬物と一緒に出てきた。うなぎまぶしと同様、一杯目はそのまま、二杯目は柚子胡椒や山椒と、三杯目は出汁をかけて食べる。柔らかくてジューシーな赤身が柚子胡椒に実によく合う。毎回思うが、九州の飲食店は往々にしてボリューム満点。美味しいのは当たり前、この価格でこのボリューム、コスパ満点である。

 翌日、湯布院の他の湯質を味わうために、もう一カ所気になっている温泉を持つ宿に立ち寄った。街中から車で約5分ほど山の中を上がっていくと、「泰葉」という旅館がある。ここは、日本全国でも数えるほどしかない珍しい「青湯」と呼ばれる源泉を持つ。炭酸水素塩泉が、100℃以上で自噴する条件を持つと、ナノメートル単位の微粒子がお湯の中に浮遊し、青い光を反射してできるらしい。

 この珍しい青湯に是非入りたくて、立寄り入浴させていただいた。事実、ここのお湯は美しく透き通る青色である。太陽の光に照らされた水面を見ると、その青色が更に美しく強調され、まるでオパールのような宝石色だ。この青色の原因は、「メタケイ酸」と呼ばれる保湿の美肌成分を持つらしく、入浴後は化粧水が要らないくらい肌がつるっつるになる。このお湯に浸かれば、天然の美容液に全身浸かると同じことといえよう。実際、この旅館はこの青湯を美肌液としてボトル販売している。湯上がり後は当然のことながら、そのボトルを2本購入して帰路についた。

 湯布院には素晴らしい旅館と温泉が多数点在する。限られた時間の中でひとつの温泉地を思う存分楽しむためには、厳選したひとつの旅館に長期滞在するのもよいが、何カ所かの湯質を楽しめる湯巡りを是非オススメしたい。

【ゆふいん湯めぐりホテル山光園】
住所: 大分県由布市湯布院町川南1723
電話: 0977-84-2195
アクセス
 大分空港よりバスで55分、湯布院ICより車で5分又は由布院駅よりシャトルバス
泉質: 弱アルカリ性低張性高温泉(単純温泉)
源泉名: 山光園2号泉(自家源泉)
温度・PH値: 62℃、PH値8.2
色・味・匂: 無色透明・無味微硫黄臭
効能: 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、間接のこわばり、うちみ、くじき慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進
料金: \9,729~\14,040(一泊朝食付、プランによる)

【ゆふいん泰葉】
住所: 大分県由布市湯布院町川上1270-48
電話: 0977-85-2226
アクセス
 大分空港よりバスで55分、湯布院ICより車で約10分
泉質: 炭酸水素塩泉
温度: 98.4℃
色・味・匂: 青色・微塩味・無臭
効能: 美肌、きりきず、神経痛、筋肉痛、慢性皮膚病、慢性消化器病、冷え性、痔疾等

2015年09月30日

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取材担当プロフィール

みなもといずみ
近場から遠出まで、行く先々に温泉マークを見つければすぐに飛び込んでしまうほどの温泉女。出張先ですら、温泉があればタオルとパンツを持ってでかけます。女である以上、温泉に癒される人生は永遠です。行き当たりばったりの旅が大好きな私のあこがれは、スナフキン。点々と旅を続けながらいで湯を求め、足あとを残していきたい!

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