2008年08月22日
風呂場のボイラーが壊れた。この家に住んで二年余りで、修理を頼んだのは十回近い。
エジプトでは電気系統や機械の故障は日常茶飯事だ。電球が破裂した。洗濯機から煙が出た。エアコンが動かない。最初は驚くが、だんだん、あきらめが強くなる。
壊れるのはエジプト製とは限らない。中国製だったり、欧州製だったりもする。どうも最初の設定や修理方法に問題があるようだ。
件(くだん)のボイラーでいえば、この二カ月でまず温度調節装置を換え、次にパイプ、最後には配電盤のブレーカーを取り換えた。修理業者は故障の原因を探らず、目の前の現象だけを取り繕うので、そのツケが次々と現れるのも当然だろう。
自動車産業など近代的な製造業が脆弱(ぜいじゃく)なエジプト社会では「ものづくり」への敬意がどうも希薄だ。車やコンピューターでも「動けばいい」という感覚で扱う。偉大なピラミッドを造った末裔(まつえい)とはとても思えない。
(浜口武司)