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カイロ 患者写真で禁煙PR

2008年09月08日

 エジプトのたばこの箱のデザインが、2008年8月から変わった。「喫煙は有害」と訴える従来の警告文に加え、実在の入院患者の写真が添付されたのだ。男性が上半身裸でベッドに横たわり、人工呼吸器を着け、苦しそうな顔をしている。政府肝いりの喫煙者減らし策である。

 エジプトでは、子どもを含めた全人口の25%以上が喫煙者。中東最大のたばこ消費国という。シーシャと呼ばれる水たばこの人気も根強い。日本や欧米のように、どこもかしこも禁煙、なんてことは決してない。いや、禁煙の空港ロビーであっても、店員がプカプカやっていたりする。この国での喫煙者減らしは容易ではなかろう。

 政府は数カ月ごとに写真を切り替えるという。たしかに衝撃的な写真も、喫煙者が見慣れてしまえばアピール効果は減る。当局のやる気はどうやら本物。更新のたびに衝撃度が増し、最後は遺体の写真か、という憶測も流れている。

 (内田康)