2008年09月10日
8月、フランスのサルコジ大統領は「休暇中」だったのに、大忙しだった。
チベットへの弾圧には目をつぶるのかと国内外から非難もされながら、まずは五輪の開会式で北京へ。
同じ8日にグルジアとロシアの戦いが始まると、欧州連合(EU)議長国として両国に飛び調停に励んだ。
アフガニスタンで反政府勢力と交戦した仏兵10人の死亡が確認されたのは19日。大統領は翌日現地に駆けつけ、今にも泣きそうな表情も見せながら仏軍部隊を励ました。
腰の軽い共和国大統領がひと味違うのは、いずれも仕事を終えると、南仏の別荘にまっすぐ戻ったところだ。何かと足場の良いパリから1000キロ近くも離れている。歌手のカーラ・ブルーニ夫人と子どもたちが待っているから、だけではあるまい。
人々はバカンスのために働くと言われるお国柄。無理やりの「休暇中」はイメージ戦略にも見えるのだけれど、どうだろう?
(清水俊郎)