【本文】

  1. トップ
  2. コラム
  3. 世界の街
  4. 中東・アフリカ
  5. カイロ メダル数に国中激怒

カイロ メダル数に国中激怒

2008年09月29日

 北京五輪で銅メダルを獲得したエジプト人柔道選手をたたえる会を、日本大使館が開いた。選手はかつて、日本が派遣したコーチの指導を受けた。柔道でのメダルは、ロサンゼルスで山下泰裕選手と戦ったラシュワン選手以来の快挙。本人も「有名になっちゃいました」と大喜びだ。

 が、五輪全体の成績には国民はカンカン。アテネでは金1個を含む5個だったが、北京はこの銅1個のみだ。

 ムバラク大統領もお怒りで、不振の原因と責任者を探る調査委員会設置を命じた。日本大使館にはスポーツ担当の政府首脳も招かれていたが、内心は気が気でなかったかも。

 メディアのブーイングは、五輪閉幕後も収まる気配なし。北京に向けた強化費がアテネの2倍だった点に「大金を無駄にして」と批判が集中している。新聞の風刺漫画には「空港にいるラクダ」が描かれた。選手団は4年後、ロンドンまで旅費が安いラクダで派遣されるかもしれない。

 (内田康)