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エルサレム 『アメリカ』何と読む

2008年10月29日

 イスラエルの若者でにぎわうカフェで、ヘブライ大学のエーブラハム・ディスキン教授はいたずらっ子のような笑顔を見せた。

 1980年代に半年間、東京大学へ客員として招かれた日本通。教授は同席したユダヤ人コーディネーターに日本語にはカタカナと平仮名、漢字があり、当時いかに苦労したかを説明した。

 「カタカナで横書きでアメリカって書いてみて」と教授。記者がノートの余白に書くと教授はそれをコーディネーターに見せた。

 「何て、読める?」

 「マニアック!」

 右から左に書くヘブライ語。カタカナのアメリカを逆に読むと、英語の「~狂」「気が狂った」という単語の発音表記に形が酷似しているのだという。

 イラク侵攻の誤りを認めず、外交上の失点を取り返そうと、急きょパレスチナ和平の仲介に本腰を入れたが、成果は期待薄だ。ブッシュ米政権の中東政策のお粗末さに思いが至り、3人で声を出して笑った。 (浜口武司)