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マニラ 自動小銃構える少年

2008年10月30日

 フィリピンのミンダナオ紛争で、モロ・イスラム解放戦線(MILF)が少年兵を前線で使っている-と国軍が主張している。

 MILFの拠点から見つかったという写真もある。小学生ぐらいに見える少年たちが自動小銃を持って訓練を受けている…ように見える。事情に詳しい地元記者に聞いてみた。「国軍のプロパガンダでしょ。写真はマドラサ(イスラム神学校)の訓練だと思うよ」

 マドラサでの軍事訓練なら珍しくはない。MILFも少年兵の戦闘参加を否定している。だが、国軍は「これを見ろ」と資料をくれた。世界各国で少年兵が使われているという国連の報告の中に、確かにMILFの名前が出てくる。

 写真が何を意味するのか、今回の戦いで少年たちがどんな役割を果たしているのか-は正直言ってよく分からない。はっきりと分かるのは、機関銃を持って整列する子供たちの姿が痛ましい、ということだけだ。(吉枝道生)