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ソウル 登山で難局を踏破?

2008年11月13日

 ソウルの北にある北漢山に登った。韓国外交通商省が外国メディアとの懇親のため、6カ国協議で韓国首席代表を務める金塾(キムスク)・朝鮮半島平和交渉本部長(56)との同行登山を企画したからだ。

 北漢山はいくつも峰を持ち、最高で約837メートル。高くはないが、びょうぶのような岩肌に威厳がある。約30人の先頭に立った最高齢の金本部長は急な山道をずんずんと進み、私を含む数人が途中で脱落状態に。健脚が自慢らしい。

 韓国では、選挙など重要な節目の前に政治家が担当記者と一緒に都市近郊の山に登り、決意を新たにする。「私たちは一緒に登った…」。登頂後の金本部長のあいさつにも一体感がにじみ出た。

 肝心の「核問題」に対しては山でも口が堅かったが、下る途中、金本部長は洞窟(どうくつ)を利用した山寺のお堂で、記者団が待つ中、頭を床に伏せ熱心に祈りをささげた。米朝会談の開催が公式発表されたのは、その翌日だった。 (福田要)