【本文】

  1. トップ
  2. コラム
  3. 世界の街
  4. ヨーロッパ
  5. ブリュッセル 本音が見えた辞任劇

ブリュッセル 本音が見えた辞任劇

2008年11月28日

 欧州連合(EU)の利益より、各国の国益優先-これが如実に表れたのが、今月初めのマンデルソン氏の欧州委員辞任、英閣僚への転身だった。

 当初、辞任表明の翌週にはブリュッセルでマンデルソン氏と日本人記者らとの会見が予定されていた。会見はドタキャンされ、何カ月も前から準備を進めていた欧州委の職員らは驚き、あきれた。

 EUの行政機関、欧州委員会。各部門の長である欧州委員は選挙の洗礼は受けないが、人選には各国政権の思惑が反映される。ドイツが前政権時、EU拡大担当委員として送り込んだのもシュレーダー前首相側近だった。

 なのに当地で会ったEU官僚らは「法の原則に従い、中立的立場で政策を進めることができる」と胸を張る。欧州統合の理念より優先しがちな、各国政治の利害や官僚の独善。欧州憲法条約や新基本条約「リスボン条約」に、市民がノーを突き付けた理由を目の当たりにする気がした。

 (熊倉逸男)

旅コラム
国内
海外