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バンコク 監視強化に凍る背筋

2008年12月19日

 バンコクの映画館に入った。料金は百二十バーツ(約三百四十円)、座席も日本よりゆったりしているのだが、やたらと寒い。ホテルもそうだが、南国タイでは、より冷房を効かすことがサービスだと信じている節がある。

 本編が始まる前、スクリーンに必ずプミポン国王の映像と国王の賛歌が流れ、観客は全員起立する。これもタイの常識。記者が見た限り、その動作はごく自然で、国民が王室を敬愛する様子がよくうかがえた。

 もっとも、タイには不敬罪があり、最高刑は禁固十五年と重い。政府の取り締まりも並ではなく、情報通信技術省は先月、王室を侮辱するウェブサイトの防御と監視のため、最大五億バーツを投じて新システムを導入すると発表した。

 同省はポルノやテロのサイト監視にも役立つと説くが、映画を見た時とは別の薄ら寒さを覚えた。

(林浩樹)

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