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パリ 後味悪い裁判の行方

2008年12月29日

 箱をあけてからわずか三十秒、サルコジ大統領の人形にぷすりぷすりと四本の待ち針を刺したところで、飽きてしまった。フランスで物議を醸しているおもちゃを買ってはみたのだけれど。

 いつも自信満々で小憎らしくもみえる大統領に、ブードゥー教ののろいをかけるまねをして遊ぶ人形だ。あと八本も残っている針を持て余しながら、想像した。わら人形と五寸くぎを組み合わせた似たようなおもちゃが他国に出回ったら-。

 自身の人形についてサルコジ大統領は「肖像権の侵害」と訴え、販売元の出版会社は「表現の自由」と「ユーモア」を主張。裁判とニュースの争点はそれだけだ。大統領側はパリ地裁で敗訴したが、直ちに控訴した。

 「パロディーに使われたのが他の宗教だったら、別の論争になりませんか?」

 ブードゥー教は、カリブ海諸国で生まれた民俗宗教。フランスにもいる数少ない信者たちの協会が静かに怒っている。

(清水俊郎)

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