2008年12月22日
冷凍インゲン問題で山東省煙台市の製造工場を取材した後、近くの食堂で夕食を取った。水槽に生きたカニ、シャコ、ヒラメ、アサリが並び、「これとこれ」と指をさして選ぶ。生きた魚介類を選べる店は中国では珍しくない。しかもカニは一匹十二元(約百八十円)という安さだ。
海に面した煙台は新鮮な水産物が多い。「野菜や肉も欲しいな」と総菜棚を見ると、閉店間際でインゲンとギョーザしかなかった。「殺虫剤や農薬は入ってないね?」と念を押すと、店長に「うちの食材はすべて安全」と笑われた。注文すると実際うまかった。
北京暮らしも二年を超え、食事が原因で体調を壊したことは一度もない。シューマイがおいしい安食堂もあるが、中国の友人に「私たちも行かない店。食材が怪しいのでやめなさい」と言われる。中国ライフは、美味とリスクの両てんびんの日々だ。
(平岩勇司)