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瀋陽 一流店でも“自由な夜”

2009年01月06日

 中国東北部の瀋陽で深夜にホテルに戻ると電話が鳴った。「マッサージはいかが」。中国では1時間1000円程度なので、毎週のように体をほぐしてもらっている。ただ、電話の女性は「特別なマッサージよ~ん」と猫なで声で続けた。性的なサービスと分かり、断った。

 2年前に北京に着任した初日も、ホテルで同様の電話を受けた。チベット暴動を取材した甘粛省、大地震直後の四川省など、超一流外資系ホテルも含め各地で体験した。いずれも内線電話で、入室直後。ホテル側が「共謀」か「直営」しているようだ。

 学生だった20数年前に中国各地を旅した当時は、安宿に集まった各国の旅行者と「中国は『夜の店』がないね」「死刑になるのでは」と談議した。その「夜の店」も現在、各都市に星の数ほどある。今年で30周年を迎える「改革・開放」政策は、夜にも波及している。

 (平岩勇司)