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水原 名舞台得て花開く力

2009年01月14日

 世界遺産を舞台にしたミュージカルの野外公演が行われると聞き、ソウル近郊の水原(スウォン)にある華城(ファソン)を訪れた。200年以上前の朝鮮時代に造られた、曲線が優美な城郭だ。

 主人公は、城を設計した丁若●(チョンヤクヨン)。築城に西洋の建築技術を導入した実学者として知られる。キリスト教徒という理由で迫害を受け、島流しの憂き目に遭ったが、逆境にめげず実学書を完成させた生涯が劇になった。

 何でもソウルに一極集中する韓国では珍しく、地元劇団による本格的な公演。舞台照明で夜空に浮かんだ華城は、昼間より重厚で白煙が高い城壁を覆う演出もあった。冷え込んだが、数百人の観客の拍手は温かかった。

 「面白かったですか?」。ソウルへ帰るバスに乗り合わせた出演者たちの顔には、仕事をやり終えた充実感があった。中央と地方の格差が日本より目立つ韓国だが、発想次第で地方の力はまだまだ伸びる予感がして応援したくなった。

 (福田要)

 (注)●は、金へんに庸

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