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モスクワ いなりにうなる工夫

2009年03月04日

 モスクワのある日本料理店に入った時のこと。「新料理」と書かれたメニューのロシア語説明を読んで頭を抱えた。「豆腐から作った和風クレープのしょうゆ味照り焼きにコメとキノコを詰めた」。どう理解すればいいのかと思いつつ、注文してみた。

 出てきたのは「いなりずし」。なるほど、薄揚げは広げればクレープに見えないこともない。中にはシイタケ入り炊き込み風酢飯。うまい説明を考えたものだと感心した。

 モスクワは依然、日本食ブーム。和食を出すレストランは数百に上るが、多くの店ですし用しょうゆが水で2倍に薄めて出されるなど、いまだ妙な料理や対応も目立つ。その中でも、かの「いなり」の店はメニューにも味にも工夫がにじんでいた。金融危機の影響はこれからともいわれる。その嵐が過ぎた時、どの店が残っているのか、見てみたい。

 (中島健二)

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