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サンフランシスコ 技術より胸打つ勇気

2009年02月02日

 サンフランシスコで開かれた米国人による日本語弁論大会。35年続く行事で、今年は耳の不自由な人が出場した。

 カリフォルニア大ロサンゼルス校に通うマシュー・フィドーさん(27)。日本語学習歴は6年。生後15カ月で髄膜炎にかかり、聴力を失った。2歳半で人工内耳を埋め込み、かなり聞こえるようになったが、聞き取りも発音も健常者と同じではない。

 弁論では「以前は周りが冗談を言って笑えば、私も聞こえたふりをして笑っていた」が、「ある時、自分は永遠に耳が聞こえないのだと自覚し、それ以来、聞こえない自分を受け入れて生きようと決心した」と話した。世界の聴覚障害者を助ける仕事がしたいといい、「このスピーチが最初のステップだと思う」と訴え、5位入賞を果たした。

 日本語を朗々と話す出場者は何人もいたが、聴衆から受けた拍手はフィドーさんが一番大きかった。

 (岡田幹夫)

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