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リマ “援助”の難しさ実感

2009年02月09日

 「危ないっ」。思わず声が漏れた。

 アジア太平洋経済協力会議(APEC)が開かれたペルーのリマ。タクシーで移動中、中学生ほどの少年2人が車列の前に飛び出してきた。

 バック転や前方宙返りを何度か繰り返すと、見物料を求めて車のサイドガラスをたたいて回る。ちょっと変わった物ごいだった。

 ポケットには小銭が3ソル(約90円)。取り出しかけて、途上国支援に携わる知人の言葉を思い出した。

 「自立の手助けが援助。ほどこしはためにならない…」。ためらううち、少年たちは離れてしまった。

 途上国を振り回す大国のエゴが垣間見えたAPEC。それを取材する自分には「恵んでやる」と相手を見下す気持ちがなかったかどうか。一方で、少年たちが喜ぶのならそれで良かったのでは、という気持ちも残る。

 3ソルは帰りの空港で喫茶店の募金箱に入れた。何が正しいのかは今も分からない。

 (酒井和人)

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