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パジェスタス島 人間こそが楽園の敵

2009年02月23日

 「地上に楽園はあったんだ…」

 あるがままの自然の光景に圧倒され、思わずつぶやいた。ペルーの首都リマから南へ250キロのパジェスタス島は多様な動物が生息し「リトルガラパゴス」と呼ばれる。島の周囲をボートで観賞するツアーに参加した。

 砂浜で寝そべる100頭以上のアシカが「ボオー」と汽笛のような声を上げる。島の岩肌ではフンボルトペンギンが日なたぼっこ。私たちの数メートル上空ではペルーペリカンや色鮮やかな海鳥が自由に舞う。

 島の地肌が見えないほど、とにかく数が多い。無数の生物が隣同士で密集しても、争うことなく共存する様子は理想郷のようだ。

 ただ、私を含む観光客は感嘆の声を上げ続けた後、帰途では一様に無口になった。何となく感じたのだろう。島が「人間のいない楽園」だったことを。

 私たちは、古代からいくつの楽園を消してきたのか-。感動と同時に、そう考えさせられる1時間の旅だった。

(平岩勇司)

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