2009年02月20日
通勤は地下鉄を利用している。台北の地下鉄は信頼度が4年連続世界一という調査もあるが、朝のラッシュのすさまじさも世界トップクラスだろう。
車内がどれだけすし詰めでも、無理して乗り込もうとするのは日本で培われた習性からか。ところが誰も詰めようとはしない。長く台北で暮らす日本人に諭された。「次から次と電車が来るから、そんなときは普通次の電車を待つんですよ」
後日の朝。例によって満員なので乗車をためらっていたら、傍らから車いすの乗客が乗り込もうとした。すると、どうだ。いつもは頑として詰めない人々がわれ先にと移動し、あっという間にスペースができてしまった。
車内では席を譲る光景も多く見かけ、総じて弱者に対する配慮の仕方はけれんみがない。もっとも、強引な乗車に対する素っ気なさもはっきりしているが。
(栗田秀之)