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天津 純粋な訴え届かせて

2009年03月11日

 中国の農民は冗談好きで優しい人が多いのだが、抗議行動の時はちょっと激しい。

 強制立ち退きに反対する天津郊外の農村へ取材に行くと、役場を取り囲んでいた農民が「記者が来た!」と殺到、私の腕をつかみ一斉に不満を訴えた。私が歩けば、100人以上が後をついてくる。

 仮に私が「虐げられた諸君、今こそ共産党を倒す時だ!」と演説すれば、役場に突入しかねない雰囲気だ。

 逆の面もある。現場で役人にも取材すると「農民が多くて話せない。別の事務所に移ろう」と車に誘われたが、農民は「だめだ、行くな」と阻止。もし車に乗れば「おまえはスパイだったのか」と襲われそうだった。

 農民を「暴徒」と呼ぶのは簡単。だが、彼らは日ごろ平和的デモも許されず、中国マスコミの協力も得られない。怒りが爆発すれば一揆のようになり、外国人記者へ過度に期待するのも仕方がない。

 純朴な農民を暴徒にさせる社会。それが問題だ。 (平岩勇司)

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