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瀋陽 文化共有で心は温か

2009年04月02日

 旧満州(中国東北地方)の冬は凍える。瀋陽の気温は日中でも氷点下10度。太陽は顔を出しているのに、寒さが肌を突き刺してくる。

 あわてて食堂に逃げ込み、焼きギョーザを注文した。さすがは東北地方の名物。底面はカリッ、周りは軟らか。黒酢がまた、食欲をそそる。妻は札幌の中華料理店の味にそっくりだと懐かしげ。旧満州を引き揚げた店主の手作りだったという。

 店から20分ほど歩き、満州事変の発端となった柳条湖事件の跡地に着いた。列車が行き交う平和な光景をながめながら、歴史に思いをはせ、今度はハンバーガー店へ逃げ込んだ。冷えきった体を温めつつ、次の目的地の位置を地図で探すが、見つからない。

 隣に座った青年に道を尋ねると、日本語で「すいません、土地の者ではないので」と返してきた。日本語学習熱の高さを実感する。東北地方と日本のかかわりは、昔も今も深い。 (小坂井文彦)

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