2009年04月10日
中国東北部の厳寒地ハルビンを10歳の長男と訪れ、有名な「氷祭り」を見学した。
市内の川から氷を切り出し、ヨーロッパの古城や奈良の大仏のような像など、高さ10メートル以上の巨大オブジェがずらり。エレベーター付きの氷の建造物もあり、壮大さに圧倒される。発光ダイオードで内側からライトアップした夜の景色も実に美しい。
それにしても寒い。日中で氷点下10度。午後4時に日が落ち始め、夜は氷点下20度に。これでも温暖化のため昔より“暖かい”らしい。雪だるまのように服やズボンを重ね着しても、冷気が口に飛び込み息が詰まる。身に痛みが走り、一時間おきに休憩所に入らないと、身体の危険を感じる。
長男にせがまれて来たが、少し後悔。その息子は氷の階段を元気に駆け上がり、何度も滑り台を楽しんだ。「父ちゃん、来て良かったよ」。その笑顔に満足した。「おもひろくて、よがったね」。もう、唇も動かなかったが。 (平岩勇司)