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モスクワ “乗り物酔い”の実情

2009年04月22日

 ロシアの航空機に乗るたび、あきるほど見せられてきた。機内でアルコールを浴びるように飲むロシア人。大声でしゃべるし、絡んでくる。ついに昨年、ある国内線で酔っぱらいが「××へ行かねば爆破する」とわめいて大騒ぎとなった。

 先日、当地の新聞にこんな記事が載った。「内務省が泥酔者対策で、国内線機内のアルコール提供禁止を提案へ」。記事によれば、2007年にモスクワ発着の航空機で泥酔者が暴れたケースが245件。内務省は泥酔者の搭乗を拒否する制度も検討中という。

 「多少は国内線もよくなるか」と話す記者の横でロシアの知人が「実現しないよ」とにやり。「ロシア人が酒なしで飛行機に乗ると思うか? 地下鉄を見てみろ」。そういえばモスクワの地下鉄も「酒に酔っての利用は禁止」と聞いたが、泥酔者の姿をよく見る。掛け声倒れは当地の常だが…。 (中島健二)