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牙山 気取らぬ街に心温か

2009年02月19日

 北風が冷たい。なんとも温かそうな名前に誘われて、忠清南道牙山(アサン)市の「温陽温泉(オニャンオンチョン)」を訪ねた。ソウルから列車で南へ約1時間半。開湯1300年の韓国で最も古い温泉とされている。

 駅前で配る街の案内図には、たくさんの温泉施設の印が。「どこがいい?」。行楽客は決まってそう尋ね、公平さを重んじる案内人は「みんないいさ」と繰り返す。その単純なやりとりが面白く、笑いの輪が広がった。

 気軽に楽しもうと商店街の温泉を選んだ。日本の銭湯そっくりで入浴料は2500ウォン(約162円)。脱衣所で髪染めの真っ最中だった経営者のハラボジ(おじいさん)は「湯質はウチが一番」と親指をピンと立てた。看板にも堂々と「第一号」と書いてある。

 この温泉地には朝鮮王朝時代に王室専用の入浴施設があり、歴代大統領もつかったそうだが、街を歩き回っても気取った雰囲気は全くない。敷居の低さに親しみがわいた。

 (福田要)

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