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ガザ 銃持つか否かの境目

2009年05月20日

 「そのノート、ちょっとこっちに貸して」

 パレスチナ自治区ガザで会った武装組織メンバーに、そう要求された。イスラエルを攻撃するため組織が隠し持っているロケット弾を撮影させてもらい、その数や射程について細かくメモしたので、内容を改めるつもりだろうか。ちょっと緊張して差し出すと、サラサラとペンを走らせた。

 「これ、メールアドレス。新聞に記事が載ったら、コピーを送ってくれないかな」

 意外と気さく。組織のメンバーの多くは若者だ。話を聞いた料理店で席を並べた20代らしい民兵の表情もあどけない。こちらが「ガザの魚料理はうまい」と感嘆するとうれしそうに笑った。

 別れ際、お土産をもらった。組織のマークが入ったキーホルダー。オリジナルグッズを作って配るなんて、いかにも若者のノリ。生まれた場所が違ったら銃など持たなかったろうに。

 (内田康)