2009年05月23日
「何を食べたい?」と聞いたのが間違いだった。イスラマバード出張最終日。世話になった若い運転手に昼食をごちそうしようとしたら、返ってきた答えは「マクドナルド」。
ちょっと待て。米国資本のファストフード店はテロの標的だろ。それに「米国は敵だ」と散々言ってたじゃないか-。「いや絶対安全だ。それにおれの好物だし」と言い張るので、ついに折れてしまった。
確かに警備は厳重だった。広大な駐車場の入り口では、銃を持った警備員が車をチェック。検問所を突破しようとしても、路面の突起物が邪魔になる。駐車後、店舗前では再び銃を携帯した警備員が身体検査する。
いよいよ入店。すると運転手は顔なじみらしき女性店員のもとに駆け寄った。「こいつ、目当てが違ったのか」と舌打ちしてにぎわう店内を見渡すと、欧米人は一人も見かけなかった。
(林浩樹)