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上海 模倣したくない文化

2009年04月29日

 「米ディズニー社による英語塾」。その看板を見かけなくなったと思っていたら、被害者の父母が提訴していた。同社と無縁の「海賊版」だった。完ぺきなミッキーマウスの絵につられて「ディズニーが英語を教えているよ」と周りに話していたから、ばつが悪い。

 中国では最近、「コピーは中国の文化だ」と、開き直りのような主張さえ聞かれる。コピーを意味する「山寨(さんさい)」という新語も生まれた。

 政府の目が届かない「山間部の砦(とりで)」が転じた「無法地帯」の意味。若者たちが有名メーカーの携帯電話のコピー商品を「山寨機」と呼び始め、急速に普及した。

 「富裕層の日本への個人旅行を解禁するとしても、資産の証明が難しい」とは上海総領事。就職説明会場へ行くと「各種証明書作ります」というビラがよく配られている。卒業証明や、中国人の身分証明書まである。できあがりを見たいが、さすがに注文できない。 (小坂井文彦)