2009年08月03日
ニューヨークに来て約1年たつが、この街のお金の流儀にはなかなか慣れずにいる。
例えば割り勘。自分の分は現金で払っていたのだが、最近親しくなった複数の金融関係者からカード払いを勧められた。3人ならカードを3枚出し、店に請求を3等分してもらって各自サインする。「10人で平気で10枚出すグループもいるよ」と言う。
銀行員の知人は「現金で買う人を見ると、この人はカードを持てないのかなと思う」とも言う。カードはその人の信用そのもの。限度額の大きいカードは地位の象徴だ。彼は「たくさん借りられるのは財産」「借金で自殺するという感覚がわからない」とまで言う。
月々の返済義務が緩いため、平気で身の丈以上の生活ができてしまう。借金への抵抗感のなさには驚く。でも、金融危機で、そんな時代も変わるのだろうか。 (加藤美喜)