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スバ 高齢者襲う危機の波

2009年10月21日

 南太平洋の島国フィジーでも、高齢者いじめが始まっていた。政府は先月末、公務員の定年を5歳引き下げ、55歳とした。政府の財政難が理由という。

 首都スバ近郊の小学校長(59)は半年早く、定年を迎えることになった。「教育には経験が必要なのに、逆行している。大学生の娘の学費に、年間1万8000フィジードル(約80万円)もかかるのに」と肩を落とした。

 リゾートとして知られるフィジーだが、経済危機をきっかけに観光は不振。主要産品サトウキビの価格も下落した。退職させた後、再雇用で人件費を浮かせようというのが政府の狙いのようだ。

 退職に追い込まれたのは全国で数千人に上るとみられる。医療、教育などへの影響も避けられない。軍事クーデター後も暫定政権の統制で平穏なフィジーだが、市民の不満や不安による混乱の火種がくすぶっている。 (熊倉逸男)

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