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屏東県 悲劇の地も今は名所

2009年09月09日

 台湾南部の屏東県。最南端に、台湾で初めて国立公園に指定された墾丁国家公園がある。昨年大ヒットした映画「海角七号」のロケ地としても知られ、近年、脚光を浴びるマリンリゾートだ。

 ここから台湾海峡に面し北に延びる海岸一帯では19世紀後半、流血の歴史が刻まれていた。1874年、西郷従道率いる軍団の上陸は明治政府初の海外出兵だった。その3年前、台風で漂着した宮古島の住民54人が言葉や文化の違いもあって先住民族に殺害された事件の報復だった。95年、乃木希典の部隊が台湾制圧のため押し寄せたのもこの海岸だ。

 沖縄と台湾の研究を続ける又吉盛清・沖縄大教授によると、この辺りの海岸は遠浅で、その先が急に深くなるため「軍艦に都合がいい」という。

 かつての軍事要衝に臨みながら、リゾートに向かう観光バスが海岸道路を突っ走っていく。 (栗田秀之)

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