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西安 雄弁に歴史を語る碑

2009年09月22日

 かつて長安と呼ばれ前漢や唐の都として栄えた西安で、各時代の石碑を集めた「碑林博物館」を訪れると、驚きの連続だった。

 西欧からのキリスト教伝来を記念した8世紀の「大秦景教流行中国碑」や書聖・王羲之の書など、世界史の授業で学んだ実物が並ぶ。しかも一部の有名な石碑以外は防護ガラスもなく、観光客がじかに触っている。

 「新しい碑は触ってもいいです」と職員。新しいといっても1000年前の石碑もある。

 清朝の政治家、林則徐が「碑林」としたためた書もある。英国が密輸するアヘンを厳しく摘発した英雄だが、中国がその後のアヘン戦争で敗れると、現在の新疆ウイグル自治区へ左遷。途中に西安へ立ち寄った。

 林が書いた「碑」の字は右側上の「ノ」の部分が省かれていた。自分は不当に「首を切られた」と憤りを込めた説があるという。物言わぬ数々の碑を見つめ、長く深い中国史の一端に触れた気分になった。 (平岩勇司)

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