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丹東 川向こうの格差悲し

2009年09月28日

 中朝国境を流れる鴨緑江でボートに乗り、中国・丹東から北朝鮮の沿岸に近づいた。北朝鮮兵士が投げてくる石をかわしつつ、農民に「アニョハセヨ(こんにちは)」と声をかけると、笑顔で手を振ってくる。

 「ご飯は食べてますか?」「ちゃんと三食取ってるよ」。肩に力を込めた朝鮮中央テレビのアナウンサーのように話すかと思いきや実に親しげだ。当たり前だが「同じ人間なんだ」と実感した。

 両岸を見比べると、丹東の山は緑豊かだが、食料事情が苦しい北朝鮮は山頂までトウモロコシ畑。木を伐採した山は、保水能力が低い。ある農民は「大雨が降ると畑がすぐだめになる」という。夜になると、丹東はネオンがともるが北朝鮮側は真っ暗になる。

 濁った鴨緑江の川岸で、北朝鮮の女の子が古びた服を脱ぎ、裸で水浴びをしていた。4歳になる記者の娘と重なって見える。笑顔の農民たちや女の子の幸せを願わずにいられなかった。 (平岩勇司)

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