2009年09月30日
イタリア中部のラクイラで開催された今年の主要国(G8)首脳会議(サミット)。300人以上が亡くなった地震被災地で急きょ準備されたサミットは、取材も通常の会議取材とは要領が異なり、不便も多かった。
ローマ市内の宿舎から毎朝バスで片道2時間半かけてサミット会場内の米ホワイトハウス記者室に入る。プレハブ建物の天井は通気口につながる太いゴム管がむき出し。建物隣の簡易トイレは、くみ取り時に強烈な異臭を放った。
最終日には主催者側の不手際でオバマ大統領の会見を急きょ記者室で行う羽目となり、スタッフが慌てて壁紙を張り替える一幕も。
だが、文句など言ってはいられまい。会場近くでは、まだ多くの被災市民がはるかに過酷なテント暮らしを強いられている。青空の下、会場内に設けられたサービスコーナーでエスプレッソを振る舞ってくれる陽気なイタリア人の笑顔に接すると、なおさらそう感じた。 (岩田仲弘)