2009年10月10日
米メリーランド州ランドオーバーにあるスタジアムに着いた時はすでに午後9時。午後7時半開演のコンサートは3分の1しか見ることができないと、大渋滞の高速道路の上であきらめていた。まわりにも同じような車がずらり。駐車場から会場に向かう人は数百人を優に超えていた。高いチケットを買った観客はもちろん、ガラガラの会場で歌う歌手もさぞつらかろうに。
だが、杞憂(きゆう)に終わった。大渋滞を考慮して開演は午後9時10分すぎに変更。終演は午前零時にずれ込んだ。
大渋滞の原因は、駐車場への誘導ミスらしい。翌日、スタジアム側が謝罪声明を出したが、あの日に会場で怒っている人はゼロ。帰りの時間を気にする人もいなかった。
観客のほぼ全員が車で来るイベントは終演が何時になっても帰宅可能だ。公共交通機関も臨時便を少し出すだけで混乱は起きない。車社会の米国で、定刻はないのと同じ。帰りの大渋滞の中で、納得した。 (古川雅和)