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北京 居心地悪い接待の場

2009年10月16日

 「北京で働くのは割に合わんよ」。白酒を酌み交わしながら、ひとしきり愚痴られた。

 彼は30代の公務員。人もうらやむ職にありながら、なぜ-。

 「胡・温体制になって、悪さができなくなった。中央の目の届かない地方じゃ、やりたい放題なのによ」。酔いが回るにつれ、本音がどんどん口をつく。こちらの方が、周りが気になって仕方ない。

 中国内陸部の農村で育ったという。幼少時から「勝ち組になりたければ、学を修めよ」と両親に言われ続け、それにこたえた。狭き門をくぐり、元党中堅幹部の娘をめとった。十分“勝ち組”に見えるが、「安月給の公務員のうまみは、権力を振るうこと」と言い切る。自らは、自宅近くの政府機関の敷地を駐車場代わりにしていることがせいぜいとか。

 気がつくと、注文してもいない料理が次々と運ばれてきていた。「どんどん食べな。店主は知り合いだから」。まったくはしが進まず、酔えなかった。 (朝田憲祐)

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