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マニラ 商魂に救われた一日

2009年10月14日

 フィリピン民主化の象徴コラソン・アキノ元大統領が亡くなり、埋葬の取材に出向いた。ところが、待てど暮らせど棺(ひつぎ)がやってこない。7時間、雨の中で待った。地元記者は「僕は10時間待っている」と自慢する。棺は、はるかかなたの教会からマニラ首都圏を行進して来る。一日がかりのうえ、いつ着くか分からないのだ。

 困ったのは空腹。のども渇いた。関係者しか入れない広い霊園は、見渡す限り何も売っていない。人に聞いても「食べ物の店はない」と言う。しかし、フィリピンに抜け穴のないルールはない。そう思って探すと、やはりあった。

 霊園の塀に沿ってスラム街があり、住民が2階の窓からカップめんやジュース、スナック菓子を売っているのだ。注文すると、窓からお墓に向かって商品を入れたかごが降りてくる。商品を受け取り、かごにお金を入れればいい。値段も良心的だ。さすがフィリピン-と感動してしまった。 (吉枝道生)

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