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パリ 神秘の微笑に酔う?

2009年10月19日

 パリのルーブル美術館の至宝、モナリザに紅茶カップが投げ付けられた。

 犯人は、日曜日の展示室の人だかりの中にいたロシア人女性。作品の表面を保護する防弾ガラスで大事に至らなかったが、女性はその場で逮捕された。突然、かばんからカップを取り出したという。

 フランス国籍の取得に失敗してやけになっていた、ただ目立ちたかっただけなどさまざまな推測の中で、ひとつの症状の名前が挙がっている。

 スタンダール症候群。美術館でめまいや吐き気を起こしたり、精神的に不安定な状態に陥ったりすることの総称だ。そんな症状に悩まされたフランスの文豪にちなんで名付けられた。

 原因は分かっていない。見上げるような姿勢で首を曲げ続けるからという説や、作品の神秘性にあてられるからという説もある。

 ルーブル美術館では、日本人観光客にも多い症状といわれている。ご注意を。 (清水俊郎)