2009年10月25日
米ペンシルベニア州の山あいの町キタニングで開かれたスペクター上院議員(民主党)の対話集会は迫力満点だった。医療保険改革をめぐりヤジと怒号の中、公的保険導入反対派の住民が議員に次々と怒りをぶちまける。
オバマ大統領は「私の集会では誰も叫んだりしない」と、こうした議員の集会は実情を反映していないと言わんばかりだが、果たしてそうだろうか。
確かに8割方反対派で占められた議員の集会は、共和党系団体が動員をかけていて、世論を正確に反映しているとは言い難い。
半面、集会ではある男性が反対論で声を荒らげつつも、ヤジの加勢には「議員に礼を尽くせ」と一喝。大きな拍手がわき起こる一幕もあった。
大統領の対話集会が決して「官製」だとはいわないが、議員の集会の方がより健全に思えた。各種世論調査では、8割まではいかないものの軒並み改革反対が賛成を上回っている。これは厳然たる事実だ。
(岩田仲弘)