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ソウル 故人も望む真相解明

2009年10月25日

 「いつかは必ず歴史の表に出る。隠せないと思う」。2年前の新春、故金大中(キムデジュン)元韓国大統領を取材した時、自身が東京で拉致された金大中事件(1973年)の真相解明を、そう予言していた。

 同じ年の秋、韓国政府の委員会は情報機関の組織的犯行だったとする調査報告書を公表。だが、核心だった当時の朴正熙(パクチョンヒ)大統領の指示や暗殺計画の有無には黒白をつけることができなかった。

 金大中氏は強い不満を表明し、70年代に政治決着で捜査を幕引きした日韓両国政府をあらためて批判した。「これは人権問題だから放棄できない」。本紙の取材に強調した言葉を思い出した。

 委員会トップは公表直後、報告書を超える表現で朴大統領の指示や暗殺計画の存在を示唆。「政治的配慮」が今なお強く存在することをうかがわせた。

 民主化や南北和解などの業績をたたえられ、見送られた金大中氏。しかし、事件の解明は重い宿題として残された。

 (福田要)

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