2009年11月01日
大英博物館から特別展の案内状をもらった。題は「THE POWER OF DOGU」。DOGUが土偶だと分かるまで1分ぐらいかかった。「英国で土偶を見るのも一興か」と軽い気持ちで足を運んで驚かされた。
国宝3体を含む70点以上。これだけの規模の土偶展は日本でも極めて稀(まれ)だという。
教科書でおなじみの宇宙人のような土偶もあれば、合掌しているような姿もある。岡本太郎の縄文好きは有名だが「太陽の塔」うり二つの円筒型土偶もある。じっくり見ていると、自分のDNAのらせんの底をのぞき込むような気分にさせられるから不思議だ。
「20世紀の現代彫刻と言ってもいいようなものもあるわ」「日本にこんな面があったなんてね」と入場者たちも話す。日本文化の基層に潜む多様性とエネルギッシュさを、土偶の力が教えてくれるのだ。大英博物館での土偶展は11月22日までで、12月からは東京国立博物館でも開かれる。 (星浩)