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マンシー 炎が守る古城の情趣

2009年11月04日

 2千本のろうそくの灯が、暗闇の城を点々と囲んでいた。パリ近郊のマンシーにあるボールビコント城は、夏から秋までの土曜の夜、電気の照明を消して行楽客を迎え入れる。

 庭園や外壁だけではない。城の内部の展示室や廊下でも小さな炎が1、2メートルおきに並んで揺れていた。重厚な家具や肖像画もあるのに大丈夫?

 「20年前から続けているサービスだけれど、問題が起きたことはない」と城の所有者の息子のジョンシャルルさん(41)。「防火対策は尽くしている」と、自信満々に語った。

 まずは火の用心専門の警備員が2人。年代物に見える壁紙の一部は、防火加工を施した新しいタイプに張り替えてある。風で倒れる危険がある位置のろうそくは、目立たぬようガラス枠で囲んだ。

 それもこれも、この城が建てられた17世紀の夜会の雰囲気を再現するためだ。すべてに火をともすのに、係員7、8人で3時間かかるという。 (清水俊郎)

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