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ワシントン ハードよりソフトを

2009年11月05日

 ワシントン・ナショナル・オペラに今季初日の12日、足を運んだ。開幕前には、タキシードなどで盛装した観客らが一斉に立ち上がって恒例の米国歌を歌うのだが、オペラの大切な第一音の前は国歌よりも静寂こそがふさわしいと思える。

 20代のころ、ウィーンへの留学中に新聞に劇評を書いていた関係で、3年間に計300回以上、国立歌劇場に通った。でも、シーズン初日を含めオーストリア国歌を耳にした記憶はない。「多民族国家」の米国は、常に国旗と国歌のもとでの互いの「結び付き」を確かめ合う必要がある。

 今回、劇場関係者の舞台あいさつでは「世界的な歌劇場」という言葉も繰り返された。日本の新国立劇場も、「世界に誇る…」を宣伝文句にするが、劇場の立派さより、独自の舞台を送り出すドイツ地方都市の歌劇場のような、発想の豊かさで見る者をうならせてほしい。 (嶋田昭浩)

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