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台北 奥が深い?贈答文化

2009年11月13日

台湾では中秋節(旧暦8月15日、今年は10月3日)に月餅(げっぺい)を食べる。この時期、贈り物も月餅が主流だ。かつて取材した台湾の行政機関などから宅配便で続々と届いた。中には、取材の約束を取り付けながら、双方の都合で取りやめとなった役所からも届いた。

就任したばかりの行政院長(首相)からも届いた。配達員に聞くと「今日は100件近く配達しているが届け先は新聞記者ばかりだ」。

昨年はこんなことはなかった。台風災害への対応の批判を浴びた馬英九政権によるマスコミ懐柔策と考えるのは、うがちすぎか。一説には、不景気感が依然深刻なので「こんな時だからこそ」と、民間でも贈り物の往来がより活発という。

届いた月餅の製造元は福祉団体。障害のある人たちがつくったものだ。一見、税金の無駄遣いとみられる役所の贈り物攻勢が、実は福祉対策につながっていたのだ。単純には批判しにくい贈答文化がこの地にはあった。 (栗田秀之)

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