2009年11月17日
十年前まで上海の秋は九月末からだったのに、今年は今月十一日から。今夏は百五十六日間で、一年の約四割を占めた。
秋も十年前より一週間長くなる見込み。プラタナスの黄葉が美しく、最も好きな季節を余分に楽しめるのが、せめてもの救いだ。
温暖化のせいで、上海ガニのおいしい時期もずれ込んでいる。日本から美食のツアー客がどんどん訪れているが、現在では上海人は十一月にならないと食しない。
気掛かりなのは来年の上海万博だ。開催期間の五~十月のほとんどが夏とかぶる。「熱中症で倒れる人が増えそうだ」と話し掛けると、友人がうなずいた。
「五輪で北京は地下鉄料金を下げたのに、上海は今月からタクシー料金を値上げした。我慢して歩く人が増えるだろう」。値上げで、上海市民が一カ月に使うタクシー代は平均で20%増えるが、金融危機で給与は増えない。夏は暑くなったのに、懐は寒い。
(小坂井文彦)