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ソウル 民主化の思わぬ証し

2009年12月01日

 6年ぶりに韓国・ソウルに赴任した。中心部にあるオフィス近くで朝の出勤時、信号待ちの歩行者が車の往来がないのを確認し、赤信号を無視して横断歩道を渡る姿をちらほら見かけた。

 近くには交通整理をする2人組の警察官が立っていて、信号無視をみつけるたびに、笛を吹いて警告。けれども、注意された歩行者はみな警笛なぞお構いなしだった。

 警察官は互いに顔を見合わせて「まいったな」と苦笑するばかり。警告を見事に無視された気恥ずかしさが表情に出ていた。かつて当地では、警察官は公権力行使の前面に立つ存在として市民の間で忌み嫌われ、恐れられていた。それが随分と様変わりしたものだ。

 昨年春まで駐在した中国では、警察官が市民を問答無用に制圧する姿を何度もみた。韓国で軍事政権が幕を閉じて約20年。信号無視の風景に民主化の一端を見たような気がした。 (城内康伸)

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